今月の一作品:色を織り重ねる美しさ」京十番親王「本綴れ織り・宝相華文錦」
- 2 日前
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今 月 の 一 作 品

本日も桂雛のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
私は、桂雛で雛人形を制作しております小佐畑孝雄です。
毎月一作品を通して、作品に込めた想いや制作の裏側をご紹介していきたいと思います。
今月ご紹介するのは
京十番親王「本綴れ織り:宝相華文錦(ほんつづれおり:ほうどうげもんにしき)」です。
この作品で最も印象的なのは、衣裳に用いた「本綴れ織り」です。
本綴れ織りは、西陣織の中でも最も手間のかかる織物の一つです。
私は、この織物が生み出す柔らかな色の重なりに魅力を感じ、この作品に取り入れました。
この織物を初めて見た時、私は「この色の重なりを雛人形で表現したい」
そう思いました。
本綴れ織りは、
一般的な織物よりも多くの色糸を使って織り上げます。
そのため、文様の輪郭だけではなく、
色が自然に溶け合うようなグラデーションを表現できます。


しかし、雛人形を作る立場になると、この美しい織物には別の難しさがあります。
本綴れ織りは、厚みがあり、とても堅い織物です。
そのため、人が着る着物なら問題ありませんが、約10分の1サイズの雛人形では、
自然な袖の流れを作ることが非常に難しくなります。
桂雛では、どのような生地を用いても、
同じ美しい造形に仕立てることを大切にしています。
堅い生地だからといって、袖が浮いたり、不自然な座り姿になってしまっては、
作品として完成したとは言えません。
私は、素材の個性を活かしながら、自然なしなやかさを表現することも、
その再現性も職人の技術の一つだと考えています。
一体の雛人形には、
素材を選ぶ人、
織る人、
染める人、
そして仕立てる人、
多くの職人の技術が込められています。
これからも、一作品を通して、
制作の背景や職人の想いをご紹介していければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。





















