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今月の一作品:色を織り重ねる美しさ」京十番親王「本綴れ織り・宝相華文錦」

  • 2 日前
  • 読了時間: 2分

今 月 の 一 作 品


京十番親王飾り「本綴れ織り:宝相華文錦」
京十番親王飾り「本綴れ織り:宝相華文錦」


本日も桂雛のブログをご覧いただき、ありがとうございます。

私は、桂雛で雛人形を制作しております小佐畑孝雄です。


毎月一作品を通して、作品に込めた想いや制作の裏側をご紹介していきたいと思います。


今月ご紹介するのは

京十番親王「本綴れ織り:宝相華文錦(ほんつづれおり:ほうどうげもんにしき)」です。


この作品で最も印象的なのは、衣裳に用いた「本綴れ織り」です。


本綴れ織りは、西陣織の中でも最も手間のかかる織物の一つです。

私は、この織物が生み出す柔らかな色の重なりに魅力を感じ、この作品に取り入れました。






この織物を初めて見た時、私は「この色の重なりを雛人形で表現したい」

そう思いました。


本綴れ織りは、

一般的な織物よりも多くの色糸を使って織り上げます。

そのため、文様の輪郭だけではなく、

色が自然に溶け合うようなグラデーションを表現できます。



繊細に色の濃淡を表現された「本綴れ織り」
繊細に色の濃淡を表現された「本綴れ織り」
柄の輪郭をしっかり織り込んだ「手織機:西陣織」
柄の輪郭をしっかり織り込んだ「手織機:西陣織」


しかし、雛人形を作る立場になると、この美しい織物には別の難しさがあります。


本綴れ織りは、厚みがあり、とても堅い織物です。

そのため、人が着る着物なら問題ありませんが、約10分の1サイズの雛人形では、

自然な袖の流れを作ることが非常に難しくなります。





桂雛では、どのような生地を用いても、

同じ美しい造形に仕立てることを大切にしています。

堅い生地だからといって、袖が浮いたり、不自然な座り姿になってしまっては、

作品として完成したとは言えません。


私は、素材の個性を活かしながら、自然なしなやかさを表現することも、

その再現性も職人の技術の一つだと考えています。







一体の雛人形には、

素材を選ぶ人、

織る人、

染める人、

そして仕立てる人、

多くの職人の技術が込められています。

これからも、一作品を通して、

制作の背景や職人の想いをご紹介していければと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。




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