桃の節句に寄せて
- 3 日前
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春の訪れとともに桃の節句をお迎えの皆様、誠におめでとうございます。
今年も雛人形の展示販売を通して、多くのお客様とのご縁をいただきました。
心より感謝申し上げます。
ご案内の中で、お客様からたびたび頂戴したご質問があります。
「雛人形は、なぜ飾るのでしょうか。」
本日は、あくまでも私どもの考えとして、綴らせていただきます。
雛人形は、日本の長い歴史の中で育まれてきた宮中の服飾文化を今に伝える存在です。
節句の行事としてだけでなく、色彩文化、文様文化など、日本独自の美意識に触れることのできる大切な機会でもあります。
その風土に根ざした文化に触れることは、子どもたちの感受性を静かに育みます。
そして感受性は、やがて創造性へとつながっていくものだと私たちは考えています。
雛人形を飾るということは、
お子様の身体の健やかさを願うだけでなく、
心の豊かさを育む一助となる――
そのような意味を持つ行いではないでしょうか。
目には見えない感受性を大切にする文化が、今日まで続いてきた歴史こそが、その価値を物語っているように感じます。
桂雛では、桃の節句文化とともに、日本の色彩と文様文化を大切な存在と捉え、それらを踏襲しながら制作を続けております。
そして作品をお納めする際には、その意味や背景に込められた願いを、作り手の言葉とともに、それを記したメッセージを同封しております。
そこにあるのは、いつの時代も変わらぬ、家族の祈りそのものだからです。
国際化が進む現代においても、
自国の文化を静かに語ることのできる感性は、かけがえのない財産です。
その一助となれましたら、これ以上の喜びはございません。
これからも、普遍的な美を探求し、
古典の色彩と文様文化を丁寧に熟成させてまいります。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
桂雛
雛匠 小佐畑 孝雄



