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襲の色目とは|雛人形に受け継がれる日本の色彩文化

3 時間前
読了時間: 3分
「秋のすすきと夕日の風景」


日本には、季節の移ろいや自然の美しさを、色の重なりで表現してきた文化があります。その代表的なもののひとつが「襲(かさね)の色目」です。平安時代の装束に見られる色合わせは、単なる配色ではなく、季節や植物、自然への感性を映し出した日本独自の美意識でもあります。桂雛では、この「襲の色目」の考え方を雛人形の衣装に取り入れ、古典の美しさを現代の暮らしへつなぐ作品づくりを行っています。




【 襲の色目とは 】



稲穂の画像


襲の色目とは、平安時代の装束文化の中で発達した、色の組み合わせや重なりによる表現です。衣の表地と裏地、あるいは何枚もの衣を重ねることで生まれる色の調和には、梅、桜、若葉、紅葉など、四季折々の自然が映し出されてきました。

色にはそれぞれ名前や季節との結びつきがあり、単に美しい組み合わせを楽しむだけではなく、その時季の風景や植物、そこに込められた感性までを表していたと考えられています。

日本人が古くから大切にしてきた「季節を色で感じる」という美意識を象徴する文化のひとつが、襲の色目です。





【 雛人形の装束に受け継がれる襲の色目 】



青と黄の配色を重ねた雛人形の装束


雛人形は、平安時代の宮廷文化を背景に持つ人形です。その装束にも、日本独自の色彩感覚や季節感が受け継がれています。

桂雛では、衣装を選ぶ際に、生地そのものの美しさだけでなく、色の重なりや文様との調和を大切にしています。同じ赤や緑であっても、隣り合う色や素材によって印象は大きく変わります。そうした色同士の響き合いを見ながら、一組ごとの雛人形にふさわしい配色を考えています。

古典の色合わせをそのまま再現することだけを目的とするのではなく、現代の住空間の中でも自然に感じられること。その両方を大切にしながら、日本の色彩文化を今の暮らしへつなぐことが、桂雛の作品づくりのひとつの考え方です。




【 桂雛が考える、色の役割 】



赤系の重なりが美しい雛人形の装束


雛人形における「色」は、単に華やかさを演出するためのものではありません。桂雛では、色そのものが持つ印象だけでなく、隣り合う色との関係、文様との調和、素材の質感までを含めて、一組の雛人形の世界観をつくる大切な要素だと考えています。

同じ色でも、絹の光沢や織りの表情、重ね方によって見え方は変わります。また、男雛と女雛を並べたときに、それぞれが独立して美しいだけでなく、二人が一組として自然に調和して見えることも大切にしています。

そのため桂雛では、古典的な色合わせを参考にしながらも、作品ごとに衣装や文様、飾る空間との相性を見ながら配色を考えています。

伝統の色をそのまま再現するのではなく、その背景にある美意識を受け継ぎ、現代の暮らしの中で心地よく感じられるかたちへ整えていくこと。それが、桂雛が考える「色」の役割です。





【 現代の暮らしへつなぐ、日本の色 】



青系の色を重ねた雛人形の装束


襲の色目に見られる日本の色彩感覚は、決して過去のものではありません。季節の移ろいを感じ、自然の中にある微妙な色の違いを楽しむ感性は、現代の暮らしの中にも通じるものがあります。

桂雛では、雛人形を「特別な日にだけ飾るもの」としてだけでなく、日々の暮らしの中で日本の美意識に触れる存在として考えています。そのため、伝統的な色合わせを大切にしながらも、現代の住空間やインテリアの中で違和感なく佇むことを意識して、色や素材、全体の調和を整えています。

古くから受け継がれてきた色の文化を、今の暮らしの中であらためて感じていただくこと。そして、雛人形を通して季節や自然、日本の美しさに心を寄せる時間が生まれること。それが、桂雛が作品を通して伝えていきたいことのひとつです。




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